伝え方上手な人は何をしているか。人材育成コンサルタントの吉田幸弘さんは「ダラダラと興味のない話を聞きたい人はいない。『自分の伝えたいこと』は減らし、『相手の知りたいこと』を話すべきだ。そのためには5W3Hというフレームワークが有効になる」という――。
※本稿は、吉田幸弘『部下も上司も動かす 武器としての伝え方』(自由国民社)の一部を再編集したものです。
伝え手は10を話したいけれど、聞き手は1しか聞きたくない
誰も人の話を多く聞きたいとは思わないでしょう。
まれに聞くのが好きという人もいますが、そういった人でもすべての人の話を長く聞きたいわけではありません。
伝え手として自分の話に自信を持つのはいいことです。
しかし、人はそれほどこちらの話を聞きたいとは思っていないことを頭の片隅に置いておきましょう。
伝える側は10を話したいけど、聞き手は1聞いて10にして話を終わらせたいと思っています。この意識があれば、できるだけ短時間で伝えようと心がけるからです。
ですから、
「知っていることをすべて話さなくてはならない」という義務感を手放しましょう。
仮に、こちらが伝える内容を減らしても、相手にとって必要ならば後で「教えてくれ」と言われるでしょう。
聞き手もある程度、共通の認識や知識はありますし、たいていは伝える側と聞き手の知識の差分は1か2、微々たるものでしょう。
たとえば、営業マンは「自社の商品の特徴・強み」を伝えたいのに対し、お客様は「導入することで何が得られるか」「困っている問題を解決できるか」を考えています。
上司は「成果がどれだけ出ているか」「成果につながる情報を知りたい」のに対し、部下は「自分の努力をアピールしたい」と思っているわけです。
だからギャップが生まれるのです。
そのギャップを埋めるために説明するのです。