興味のない部分は頭に入りにくい
部下はつい多くを話してしまいがちです。
自分の努力を隅から隅まで話そうとしてしまうのです。
しかし、上司は知りたいことしか頭に入ってこないのです。なぜなら「自分が知るべき情報を埋めよう」と思って聞いているからです。
たとえば、セミナーを受講しに行く際、会社から言われて仕方なく行く場合もあるかもしれませんが、たいていは困った問題を解決することが目的で行くのではないでしょうか。
その際、中には自分が知っている内容も含まれているでしょう。
自分が知りたいと思っていること以外の話も出てくるでしょう。
そういった話まで覚えているでしょうか。
仮に90分の講演を聞いたとして、1から10まで話し手の言ったことを覚えている人はいないのではないでしょうか。
人は自分の聞きたいことだけを聞く、あるいは自分の都合のいい部分だけ聞いて、都合よく解釈します。
だから、自分の知りたいことは覚えているけれど、自分にとってはあまり重要ではなかったことはスルーしてしまうのです。
そもそも90分の内容が全部頭の中に入ってきたら、パンクしてしまいますから。
私自身、今の講師の仕事をしていて時折、「この部分は良かったけど、この部分は知っていた」あるいは「この部分は興味がなかった」などとアンケートに書かれたことがあります。
人は自分の知りたいことだけを知りたいのです。
話を聞きたくなるには「冒頭」を上手く利用する
その点を踏まえて、仮に次の2人の営業マンがいたら、どちらの方の話を聞きたいと思いますか。
Bさん「吉田さんはどのような悩みをお抱えですか」
後ほど詳しくお話ししますが、人は冒頭が一番集中力があります。
そして冒頭の話は聞こうとします。それなのに最初に「自分の会社の説明をさせてください」と言ってしまうのは非常にもったいないことです。
誰もがダラダラと興味のない話を聞きたくないのです。
ですから「相手の知りたいこと」「相手の問題解決につながる内容」を話すべきで、独りよがりになっている「自分の伝えたいこと」は減らす必要があるのです。