組織や人から許可をもらうためには、どうすればいいか。人材育成コンサルタントの吉田幸弘さんは「たとえば部署の交流会で店選びを任されたとき、その店を選んだ理由をどう伝えるか。『雰囲気がよい』では相手は納得しない。自分主体ではなく相手主体の言葉に置き換え、客観的な理由を添えられるといい」という――。
※本稿は、吉田幸弘『部下も上司も動かす 武器としての伝え方』(自由国民社)の一部を再編集したものです。
相手視点で理由を伝え「やらされ感」を払拭する
人は理由がないものに対しては納得せず、「やらされ感」を持って動く人も多い傾向にあります。ですから理由はしっかり伝える必要があります。
この場合、主観的な理由ではなく客観的な理由にする必要があります。
自分視点ではなく相手視点で考えましょう。
例をあげましょう。
・ランニングコストが安くなる
・入力業務に3日とられていたのが1日で済むようになった
・組織として時短になる
これら3つの理由は相手(組織)のためです。
ですので、仮にこの理由をあげてサービスを導入してほしいといえば、組織も腰を上げてくれるでしょう。
ここで1つの例として、外部のタイムマネジメント研修を受講したいとします。
その際、次のような理由をあげたとします。
①自分がラクになる
②早く帰れる
③自分が学びたい
しかし残念ながらこの理由では上司もOKしないでしょう。
組織としても上司としてもメリットを感じないからです。
この場合、組織・上司としての視点の理由にしなければなりません。
それでは修正した例をあげていきます。
①他の業務に時間を使え、心身が健康になり、集中力がつく
②残業がなくなり、働き方改革につなげられる〔早く帰ってクリエイティブなこと(デザインスキル)を学べる〕
③チームメンバーにもシェアして生産性を高めたい
これなら上司も許可してくれるでしょう。