話の内容よりも「誰が言ったか」を重視

②権威あるデータや意見

「国や官公庁、○○研究所の調べによると……」という話は伝える人である本人が経験したものや調べたものより効き目があります。

ただし、この場合、相手になじみがあるデータでないとダメです。

仮に「私がこの前交流会で知り合った、業績を大きく伸ばしている武田物産(仮名)の伊藤社長が言っていたのですが」と言っても、伊藤社長を信頼するかどうかは聞き手が決めることです。

また、目新しいデータだからいいとも限りません。

そのデータを出しているのが信頼に値するところかどうかが大事になってきます。

③自分自身の行動に基づいたデータ

この場合、自分が信頼に値するような業績を上げているかどうかが大事になってきます。人は話の内容よりも「誰が言ったか」を重視します。

同じ内容であっても常に目標を達成している営業マンAさんの意見と、目標未達が数ヵ月続いているBさんの意見では、当然信憑性も変わってくるでしょう。

もちろん、上司としてはBさんの意見も聞く必要があります。

Bさんの意見が実は有用かもしれないからです。

しかしわかってはいても、業績が伴っていない人の意見は疑いたくなることもあるでしょう。

ですから、仮に意見を出す人が目標未達で結果を出していない場合、「私の考えでは」「私の所感では」「私の印象では」といった自分にしか裏づけがない根拠は説得力が落ちるので避けた方がベターです。

材料となるデータを探す3つの方法

では自分でデータを探すにはどうしたらいいか。

①それ自体に注目してデータを探す

たとえばAというクラウドシステムを導入したいなら「Aを使った同業他社の意見」などを伝えるといいです。

これは権威ある人物よりむしろ現場に近い人間の意見がいいでしょう。

②「似たもの」に注目して根拠を探す

仮にAという商品がこれから発売であったり、まだ発売後間もない状態でデータが少ないならば、似ている既存商品をデータとして探しましょう。

Bというクラウドシステムを利用した例や、クラウドを使ったことによる「時短」に関する記事でもいいです。特に有名なメディアは効果があります。

③「反対のもの」に注目して根拠を探す

使わないことによるデメリット、使っていないことによるマイナスを探します。

吉田幸弘『部下も上司も動かす 武器としての伝え方』(自由国民社)
吉田幸弘『部下も上司も動かす 武器としての伝え方』(自由国民社)

ある仕事をA社に発注したいけれども、B社を使っているという場合は

「B社のデメリット>A社のメリット」になるものを探してくればいいのです。

「B社を使うと、印刷物の色味が良くない」とか「発色が出ていない」などのケースをあげるのです。

または、A社の安全性を前面に出すことも有用です。たとえば、返品交換できるなどもアピールの材料になるでしょう。

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