新しい世代の投資成功率は100%に近づくかも
さて、新しい若者世代が長期積立分散投資を志向しており、これは年3兆円ペースでの投資資金流入となっていることを解説してきましたが、肝心の「勝率」も気になるところです。
金融庁のつみたてNISAの解説資料では国内外に長期積立分散投資をした場合、20年継続(2001年1月~2020年12月)すると“勝率”はほぼ100%になるというデータを公開しています(毎月1万円積立、投資総額240万円、日本株式=日経平均503万円、全世界株式=MSCI ACWIグロス624万円)。
もちろん投資には常にリスクが伴うものの、バブル崩壊、リーマンショック、コロナショックなどの一時的な市場下落も、長期積立投資をしていれば(そして「長期積立投資しているだけ」で)乗り越えられた、と解釈することができます。
個別の投信会社が、積立購入をしている顧客の運用成績を開示しているケースもあります。積立投資を中心に投信販売を行うコモンズ投信の顧客は、2023年3月末時点で97.7%がプラスの運用成績になっていると情報開示されています(顧客の76.6%が積立投資を設定)。コモンズ投信の運用商品のクオリティももちろんですが、長期投資をする若い世代がしっかりリターンを得ていることが分かります。
2020年代に入り、投資の世界には新しいムーブメントが根付き始めています。お年寄り世代が岸田文雄内閣のいう「資産所得倍増プラン」を机上の空論と笑っているあいだに、若い世代は確実に資産所得を増やし始めているのです。