ポイント投資も積立投資を加速
もうひとつ、積立投資に影響を与えている流れが「ポイント投資」です。これは2つの意味があって「すでに貯まっていたポイントを用いて投資資金とする」ものと「クレジットカードで積立投資をするとカードのポイントがもらえる」というものがあります。
各種サービスで貯まったポイントを投資に回せば、実際にお金を出さずに投資したことになるので投資開始のハードルが下がります。クレジットカード、PayPayなどのQRコード決済、Pontaなどのポイントカードといったものが、それぞれポイントの投資を提供しています(実際に投資信託を購入していないバーチャルなケースもある)。
ただし、買い物を1万円して1%のポイントが貯まったとしても100ポイントですから、ポイント投資で何百万円もの資産形成にはつながりません。あくまで投資をするきっかけ作りと考えてみてください。
もうひとつの投資をしてポイントを貯める、というアプローチのほうはどうでしょうか。近年、ネット証券が推し進めているのがクレジットカードからの積立投資額引き落としに対してポイント付与を行うサービスです。前述の積立投資急拡大の多くがクレジットカード経由とされます。
月5万円と上限があるものの、仮に年60万円の投資を行い1%還元となれば、6000ポイントを獲得でき、初年度の運用コストを実質無料にするくらいのインパクトがあります(厳密には投資信託の投資コストは投資資金の内枠で引かれ、ポイントは別途付与される構図であり、運用コストが本当に無料になるわけではない)。
最初に紹介したネット証券の積立投資が急拡大している背景には、多くがクレジットカード経由で設定されていることも奏功していると言われています。
ただ、投資をしてポイントを貯める方式は利用者には人気である反面、カード会社と運用会社にとっては負担の大きいため、証券会社のグループ企業で発行するカードに限定されるのが通常。不定期にポイント還元率を見直されることもあります。
ポイントは「うれしいプレゼント」ではありますが、ポイントありきで投資をすることのないようにしてください。