昔も今も、男女間に大きな乖離が見られる項目

「相手の学歴」という項目は、男女ともに横ばいで、大きな乖離が残ったままです。

男性の方は2~3割程度と、気にする人は少数派ですが、女性は、おおむね5割を超え、気にする人がマジョリティとなっています。

【図表8】学歴
※「出生動向基本調査」を基に筆者作成

表中に示したデータには29年の幅があり、この間に、大学進学率においては、女性が急上昇してほぼ差がなくなりました。にもかかわらず、女性は男性に対して学歴への要望が全く低下していないのは、少々驚きと言えそうです。

女性から消えない「学歴」「職業」「経済力」要望

こうして見てくると、女性の社会進出が進み、性別役割分担が壊れる中で、結婚相手への要望にも変化が表れていることが分かりました。

ところが逆に「昭和的価値観」が強くなっている項目も見受けられます。

まず、女性が男性に「経済力」を期待するポイントが、いまだに9割台を超え、むしろ過去よりも高いレベルになっていること。この点、男性は女性の社会進出を受け入れ、都合よく「女性に経済力を求める」割合が若干増えているのと対照的です。

同様に、女性が男性の「職業」を気にする度合いも8割を超え、数値は90年代よりも高くなっています。こちらも、男性は社会情勢に合わせてやはり「女性への期待」を高めていますね。

そして、「学歴」への要望。女性は5割台、男性は3割程度と乖離が続いています。

この3点、女性の社会進出で、女性から男性への要望が、本来なら崩れるはずなのに、むしろ維持強化されているのが見て取れます。