未婚のまま残るのは「低年収男性と高年収女性」という現実

女性の「学歴」「職業」「経済力」が上がり、さらに同等以上の「男」を求めるなら、当然、相手は見つからなくなります。

女性が男性に、「経済力」「職業」「学歴」を求め続けるという現象、即ち「昭和の心の保蔵」によって、それにふさわしい男性が不足する状態になるのです。それは男女平等社会においては当然の帰結といえます。

それが一目瞭然となるデータをお見せしましょう。

図表9は、独身研究家の荒川和久さんが、就業構造基本調査を基に、年収と生涯未婚率の関係を表したものです(「婚活市場では“高望み”の部類だが…『年収500万円以上の未婚男性』が最も余っている皮肉な理由」より)。

2007年と2017年、それぞれが折れ線グラフとなっていますが、どちらも、男女の線が×という形で交差しているのがわかるでしょう。つまり、男性は低年収者の未婚率が高く、女性は高年収者の未婚率が高くなっています。このグラフは、「女性は自分と同等以上の男性を求める」という昭和型社会構造がそのままだということではないでしょうか。

そして、両年を比べると、2017年のほうが男女ともにグラフが上方にシフトしているのが見て取れます。そう、まさに、昭和型構造が残存したまま、女性の収入・地位が向上したので、未婚率が上方シフトしたといえるのでしょう。

本人の努力という投資があってこその学歴と収入

確かに学歴や収入は、本人の努力という投資があってこそ手に入れられた「成果」だと考えることができます。心の中に「昭和」が残存する独身女性なら、その投資に見合う「より上の男性」を選びたくなるのも、無理はありません。学歴も収入も低かったかつての女性のように、職場内で容易に「いい男」を見つけられないのは当然といえるでしょう。

一方、男性のほうは着々と昭和の心を捨て、収入も学歴も上の女性を受け入れつつある。こちらでは心のアップデートが進んだ理由は簡単です。それは、とりもなおさず、家計を一人で支えなくても良いという、自己利益につながるからでしょう。そのトレードオフで、前回示したように、男性の家事育児支援が進んだともいえそうです。