「高齢化による停滞」を見て見ぬふりをする

リベラル派も保守派も、いま日本が直面している「高齢化による社会の停滞と閉塞」に対してはなんら解決策を出せないどころか、個人として問題意識を持っていることを言明することすら避けている始末で、なんら意味ある議論に貢献することができないでいる。

たしかに「高齢者のための福祉を(若者やこの国の未来のために)考え直す」という営みは、非道徳的で非倫理的で政治的にもただしくない。だが、ここから目をそらして枝葉末節にかかずらってばかりの議論や論者はその価値を失っていく。

近い将来、保守派とリベラル派のイデオロギーの対立が政治や社会の争点となっていた時代は、「余裕のある時代だったのだな」と懐かしく回想されることになるだろう。

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