「こんな法律ができたら女性と交際するなんて無理だ」
ご存知のとおり、7月13日に「不同意性交罪」が盛り込まれた改正刑法が施行された。
性犯罪規定を見直す改正刑法が13日に施行、強制・準強制性交罪が統合されて「不同意性交罪」に、強制・準強制わいせつ罪は「不同意わいせつ罪」となる。性的部位や下着の盗撮を罰する新法「性的姿態撮影処罰法」も同日施行。
不同意性交罪と不同意わいせつ罪は「同意しない意思を形成、表明、全うすることのいずれかが難しい状態」にすることが要件。暴行・脅迫やアルコール・薬物の摂取、上司と部下といった関係性の悪用など、要因8項目を列挙した。これらに「類する」場合も処罰する。
〔産経新聞「『不同意性交罪』13日施行 改正刑法、盗撮処罰新法も」(2023年7月12日)より引用〕
これに対してネットを観察すると批判の声が多く聞こえてきた。その多くは男性からのようだった。
「後から『合意じゃなかった』と言われたら性犯罪者とかヤバすぎる」
「書面で同意書を取っておかないとヤバい」
「もうこんな法律ができてしまったら、女性と交際するなんて恐ろしくて無理だ」
「お金がない・仕事がない・出会いがない」ではない理由
こうした男性たちの反応に対して、SNSでは「過剰反応をやめろ」「性犯罪から守る法律なのにそれを嫌がるなんて間違っている」「なにかやましいことでもあるのか」といった批判的な声が少なくなかったようだ。しかしながら、この法律にまつわる一連の反応こそ、現代社会で「異性との交際を望まない」とする人が全体的に増えており、とりわけ男性では20代のおよそ4割が実際にデート経験すらないという「恋愛離れ」というべき状況が加速している理由を暗に物語っているように見える(内閣府「令和4年版男女共同参画白書」)。
お金がないから、仕事がないから、出会いがないから、時間がないから――そういったことではない。かれらの間で「恋愛離れ」が加速している本当の原因は別にある。