20~30代に多い「マッチングアプリ不倫」
「妻とは穏便に別れたいが、どうしたらいいか?」「夫とはどうしても別れたくないが、どうしたらいいか?」離婚と修復という一見、真逆に見える相談だが、原因はどちらも「不倫」であることは少なくない。
大切な人を傷つける行為だと頭では理解しているつもりでも、いざ関係がはじまってしまうとなかなかやめられないのが不倫の沼。実際、不倫が原因で相談に訪れる夫婦やカップルが減る兆しは一向にない。
相模ゴム工業の調査を見ると、結婚相手や交際相手など、いわゆるパートナーとは別にセックスをする相手がいる人の割合は年代別に異なる。男性の20代は29.6%、30代は30.9%、40代は30.1%、50代は24.5%、60代は19.8%。女性の20代は16.5%、30代は17.9%、40代は17.1%、50代は14.2%、60代は10.4%という。(相模ゴム工業「ニッポンのセックス2018年版」)。相手が特定の人なのか不特定多数なのかはさておき、パートナー以外とセックスすることを不倫とするならば、これだけの人が不倫をしていることになる。
とくに、「男性は約3人に1人、女性は約5人に1人が不倫をしている」という20~30代。この世代に注目してみると、私が日々経験している相談事例で目立っているのは、不倫がはじまるきっかけがマッチングアプリだという点だ。パートナーがいながらも、マッチングアプリに新しい出会いを求める男女が増えている印象を受ける。
たとえば、こんなケースがある。
※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。
娘の教育方針で夫との価値観の違いに気づく
【CASE1】夫婦問題の相談相手と不倫した妻
「よかれと思ってはじめたことが、むしろ逆効果だったとわかり愕然としています」と話すのはS美さん(39歳)。S美さんは4年間の交際期間を経て、30歳の時に1歳年上の同僚と結婚。現在、小学生の子供が1人いる。「学生時代に交際経験はあったものの、真剣に付き合ったのは夫がはじめて。付き合った期間も長くなり、30歳までに結婚したいと思っていたこともあって、とくに別れる理由もないまま入籍しました」。
S美さんは、「結婚前には感じなかった夫への違和感が、結婚後にどんどん大きくなっていった」と振り返る。「食事へのこだわりや掃除の頻度など一緒に生活してみないとわからないことで生じた違和感はたくさんありました。決定的だったのが娘の教育方針についてです。私は公立でいいと思っていたけれど、夫は『中学から私立に行かせたい』と切望。進学塾に通わせるかどうかで初めて大喧嘩になりました」
その後、S美さんは親しい友人に、夫との価値観の違いについての悩みを打ち明けたところ、「どこの夫婦もそんなものでしょ。だいたいS美は旦那さんしか知らないからいちいち大ごとにとらえてしまうのでは? もっと視野を広げていろいろな既婚者の男性の意見を聞いてみたら、少しは旦那さんのことも理解できるかもよ」とアドバイスをされたという。