スーパーの寿司との決定的な違い

握り寿司は常に8貫から40貫まで、8種類の握り寿司が大量に陳列され、次から次へと売れていきます。この日、私は8貫1000円(税込み)の本マグロ赤身入りを買いました。併せて近隣の大手食品スーパーでも10貫640円のお値下げ品(税込み)を買い食べ比べてみました。

食品スーパーの寿司は2貫多く、価格も安い。しかもまだお昼過ぎたあたりで値下げしています。一つずつ食べ比べてみましたが1貫目から圧倒的に角上のほうがおいしい。ネタもシャリもまったく違います。同じ寿司とは思えないほど違いました。これなら高くても角上で寿司を買います。

上は角上の握り寿司、下は大手食品スーパーの握り寿司。見た目から違う
筆者撮影
上は角上の握り寿司、下は大手食品スーパーの握り寿司。見た目から違う

角上の商品は必ずしも低価格というわけではありません。良い品質の魚を、適正価格で販売しています。そしていたずらな値下げはしない。常に適正価格で販売しようと心掛けているように感じます。

だから「値入」=粗利となります。値入ねいれとはもともとの値付けでとれるはずだった利益、粗利は値下げして最終的にとれる利益です。スーパーなどはもともとつけていた値段を安くしてしまうから、値入と粗利が変わり、鮮魚は利益が出にくくなります。角上は値入と粗利が同じですから、しっかりと利益が残る仕組みになっているというわけです。

オジサンの心をつかむ「つまみ」

【繁盛ポイント2 つまみや総菜の充実】

角上の強みは、刺し身や寿司だけではありません。つまみや総菜、弁当も充実しているのです。

小平店には、酒のつまみをパック詰めしたものが120アイテム以上はありました。それ以外の刺し身系やわかめなどの海藻系なども含めたら、つまみだけで200アイテムはくだらないでしょう。

このつまみを選ぶだけでも楽しい。しかもおいしい居酒屋に品ぞろえしているような海鮮系のつまみばかりですからどれも目を引きます。だから普通の食品店では少ない男性客、しかもおじさんや高齢者の客層が目立つ店なのです。

私は「釜揚げ桜海老」(306円)、「たこわさび」(285円)、「角上海幸漬け(小)」(750円)を買いました。

このような酒のアテになるようなアイテムが豊富にそろっていることが角上のリピーターづくりのポイントです。21年末時点で角上のスマホアプリ会員数は17万人を超えていました。毎月1000人ずつ会員は増えていましたから、今では19万人近くになっているでしょう。

「角上海幸漬け(小)」(750円)。少し高いですが絶品のつまみでした
筆者撮影
「角上海幸漬け(小)」(750円)。少し高いですが絶品のつまみでした