なぜ店舗数を増やさないのか

これほどの繁盛店ですから各地からの出店要請も多いのですが、あまりエリアを広げていませんし、店舗数もそれほど増やしていません。

理由は「新潟を早朝に保冷トラックが出発して、お昼ごろまでには到着する範囲で店舗展開する」というこだわりがあるからです。角上の思いは、日本海の鮮度の良い魚を一番おいしい状態でお客に届けたいという一点に尽きます。

角上には社心という言葉があります。「買う心、同じ心で売る心」。常に「お客さま目線」で仕事をすることこそが角上で働くすべての人が守るべきだという内容です。

これを徹底していくために「鮮度は良いか」「値段はよいか」「配列はよいか」「態度はよいか」という「4つのよいか」という現場の基準を作り徹底しているのです。

商品は冷ケースに整然と陳列されている非常にきれいな売り場
筆者撮影
商品は冷ケースに整然と陳列されている非常にきれいな売り場

私が昔、一時期働いたことがある鮮魚小売店の品ぞろえや陳列などと比べて、角上の売り場は圧倒的にきれいです。クレンリネスも徹底されています。また価格設定がなにより絶妙で、商品の顔を見てきちんと値付けしているのがわかります。

これが全社で徹底できているからこそ、圧倒的に高い坪効率の店を作れています。店舗数をむやみに増やさなくても売り上げを大きくし、高い利益率をあげることができています。店舗数を増やしたり、大きな売り場面積の店を作ったりするだけが、これからの繁盛店ではありません。

角上のように人を大切にして、お客に商品で喜んでいただけるように、そこで働く人が誠心誠意商売をしていく店が結果的に超繁盛店になるのです。

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