夫の認知症状は日に日に悪化 仕事後は在宅介護

林さんはご主人と力を合わせて、家業を継ぎ、自営業を営んできた。法人化していることから厚生年金にも加入し、リタイアしたら、夫とゆっくり海外旅行を楽しもうと考えていたそうだ。ところが、50代の終わりを迎えた頃から夫の様子がおかしくなりはじめて、3年前の61歳の時、認知症と診断された。

様子がおかしくなったことに気づいたのは、商品の発注数にミスが発生するようになったことだ。たとえば5ケース分の商品が必要だったのに、50ケースも届いて、驚いたことがある。そのようなミスが繰り返されるようになったことから、夫と何度も話し合いを重ねたうえで、1年くらい前、仕事からは退いてもらった。

夫がリタイアした後は、パートの人たちと力を合わせて事業を継続してきている。夫婦で切り盛りしていた頃に比べて収入は減っているが、それでも家族が生活していくのには困らない収入(年収1300万円)を現在も得られている。

双子の弟が学校になじめず進路も決まらず、親子で悩む

林さんは、子どもの問題も抱えている。長女(31歳)は就職して、2年前に結婚(独立)。共働き家庭なので、出産はしばらく先になるようだが、とりあえず長女に関しての子育ては終わったと感じている。

双子である長男と次男は、中学受験をして、同じ中高一貫校に進学した。長男は学校にもなじんで、現在は高校3年生になっている。来春には、大学受験を控える受験生だ。

影が長くなる時間帯の学生たち
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いっぽうの次男は、進学した学校が第1志望ではなかったためなのか、友人づきあいに原因があるのかはわからないが、学校になじめなかった。次男は中2のGW明けから学校を休みがちになり、夏休み明けには学校に行けなくなった。以降、部屋にひきこもる時間が多くなっている。

林家の場合、双子の兄が同じ学校に通っていることから、学校からの宿題や課題を持ち帰ってもらい、それを提出することで何とか高校へは進学できた。何とか高校生にはなれたものの、再び休みがちとなり、高2への進級があやうくなったことで、学校に行けなくなってしまった。林さんが高2の学費を払おうとしたら、学校側から「進級できていないので」と断られたそうだ。

長男は大学受験に向けて勉強に励む中、次男は進級のめどすら立たずに、実質退学状態。林さんは困り果てている。