ひきこもりの人、およびその家族の高齢化が進み、「8050問題」が深刻化しています。いずれは親が先に亡くなり、ひきこもりの子が残される。そうなった時に困らないように、私たちファイナンシャル・プランナーは、早めの準備をお勧めしています。しかし今回は、親が亡くなり、一人になったひきこもりの子、本人からの相談です。
遮光カーテンを開ける男性のシルエット
写真=iStock.com/liebre
※写真はイメージです

ひきこもり当事者からの相談

相談者の家族構成
・相談者:ひきこもりの本人(男性):56歳(無職)
・母親は3カ月前に84歳で他界。兄弟姉妹はなし。
※父親は7年前に83歳で他界

相続財産
・預貯金:2500万円、住んでいる自宅マンション
※自分自身の預貯金はなし

「これから、どうしていけばいいんでしょうか? 私はこのまま生活していけるんでしょうか?」

今回相談に来たのは、ひきこもりだという本人(56)です。ひきこもりの相談は、親や兄弟姉妹などの家族からのことが多いのですが、本人からの相談も時折あります。

聞けば、3カ月前に母親が亡くなり(享年84)、一人になったそうです。父親はすでに7年前に亡くなっており(享年83)、兄弟姉妹がいないため、頼れる親族がいないそうです。幸い、自宅マンションとある程度の預貯金(2500万円)を残してくれたので、すぐに困ることはありませんが、

「今後、私はこのお金で暮らしていけるのか、診断をお願いします」

と私を訪ねてきました。相談者は、大学を卒業後に一度は就職したそうですが、3年後、会社になじめず退職し、再就職もできず、自宅にこもりがちな生活になってしまったとのことです。本人いわく、「自信をなくしてしまい、働くことが怖くなってしまった」そうです。退職以降、およそ30年の月日が流れました。その間、一度も就職をせずに、両親に養われていましたが、その両親もなくなり、今後一人で生きていくことに、不安でいっぱいだそうです。

もっとも、全く生活力がないわけではないようです。7年前に父親を亡くしてからは母親との生活になりましたが、その母親も3年目からは要介護状態となり、母の介護をしながら生活していたそうです。この1年ぐらいはもっぱら家事をするのは、ひきこもっている相談者だったそうです。自室に閉じこもる生活を自ら抜け出したのです。

この数カ月は相続の手続きに追われてしまいましたが、それもすべて一人でこなしたそうです。ようやくさまざまな手続きが一段落つき、今後の生活が心配になってきたようです。