従業員4人の自営業の社長だった夫は、50代後半に認知症を発症し、引退。代わりに会社を仕切っている妻には悩みの種がもうひとつある。不登校で自室に閉じこもる次男だ。妻は打開策として、夫を施設へ、次男を海外の大学へ行かせたい。妻の心の支えは7600万円の貯蓄だが、ダブルのリスク解消策にいくらかかるか見通せないでいる――。
50代の終わりごろから、夫に認知症の症状が…
関西地方に住む林史子さん(仮名・61歳)は、50代の終わりに認知症を発症した夫(64歳)と、不登校の次男(高校生・17歳)を抱えている。仕事は夫の家業を継いだ自営業で、長年、夫と二人三脚で頑張ってきた。従業員として、パートを4人ほど雇っている。
事業を順調に続けてきたものの、夫が発症して以来、林さんは夫の役割まで仕事をこなさなければならなくなった。介護の負担も少しずつ増してきている。加えて、中学生の時に不登校が始まり、中高一貫校だったために何とか高校へは進学できたものの、高校を休学中の次男のことで、悩みは尽きない。
[家族構成]
林 史子さん(仮名・61歳)
夫(64歳)
長女(31歳・既婚・別世帯)
長男(17歳・高校3年生)
次男(17歳・高校休学中)
[収入と資産の状況]
林さんの年収は約1300万円
夫はもうすぐ年金を受け取り始める予定(月に約18万円の見込み)
貯蓄は7600万円