注意すべき不吉な油の種類

次に挙げるのは、注意すべき不吉な油だ。

食品業界が探し求めた安価な油が国民に販売されたが、それは多くの人に悲惨な結果をもたらすものだった。

確かに、今では私たちはトランス脂肪酸が本物のバターより身体に悪いと知っている。それでも、未だに無知というベールによって、「硬化油不使用」や「遺伝子組み換えではない」、そしてもちろん「オーガニック」などと表示されたバターイエローの容器に騙されつづけている。こういった健康的であることをアピールする謳い文句も、実のところは変質し、劣化し、熱で傷んだ安価なフランケンフードであることを覆い隠すためのものでしかない。そんなものが容器に詰められて、スーパーマーケットの高級な健康食品の売り場に並べられ、500~600円で売られているのだ。

マックス・ルガヴェア、ポール・グレワル『脳が強くなる食事 GENIUS FOODS』(かんき出版)
マックス・ルガヴェア、ポール・グレワル『脳が強くなる食事 GENIUS FOODS』(かんき出版)

綿実油、キャノーラ油、ベニバナ油、ヒマワリ油、大豆油――製造業者がこうした油を詰め込んだあらゆるところに、この悪いニュースが隠れている。

1965年から2011年までにアメリカ国内の成人が摂取した脂肪の総量は11パーセント減少しているのに、こうした油の使用量は、ここ100年で200~1000倍に跳ねあがっている(後者の数字は大豆油の使用量)。この種の油は、今やアメリカ人の総カロリー摂取量の8~10パーセント――世紀の変わり目には、ほぼゼロだった――を占めている。ひと握りのヒマワリの種やピーナッツ、トウモロコシの粒なら、まったく無害で健康的な食品かもしれないが、そこから工業的に絞り取られて高温で加熱された油に、安全な摂取量というものはない。

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