AIが次世代のインターネット環境を支配

対話型AIシステムが注目されている理由は、これが検索エンジンとリンクした場合、次世代のインターネット環境を支配するツールになると見られているからだ。

検索エンジンは既にAIを搭載しており、それが検索ワードのサジェストなどに反映されるようになっている。しかし、まだまだ人間側は検索ワードに関する情報を断片的に収集しなければならず、必要な情報にたどり着くまで時間・手間がかかる。

そこで、対話型AIによって人間が本当に欲している情報に対する「直接的な回答」を得る仕組みが注目されている。

この能力は人々が想定していたものよりもはるかに優れており、対話型AIシステムの能力に世界から耳目が集中する状態となっている。

「ChatGPTが作った法律」の中身

では、このChatGPTに何らかの法案を作らせた場合、どのような法案を作成するのだろうか。

社会のあらゆるビッグデータや学術論文から情報収集が可能なAIは、人間を超えた革新的なアイディアを提案するのだろうか。

結論から言うと、ChatGPTは確かに法案をアウトプットすることはできた。

法律の作成とは、ある程度決まった様式に文言を落とし込む作業であり、このような作業はAIの強みが生かせる部分だからだ。

実際、米国の連邦下院議員などは自らの演説草稿をChatGPTに書かせるなどの社会実験を行った例もある。

しかし、その法案の内容に関しては、幾らかバイアスがかかった状況にあるようだ。

マイクを使って演説する人
写真=iStock.com/webphotographeer
演説草稿をChatGPTに書かせる実験も(※写真はイメージです)