チームのメンバーに仕事を任せるときのコツは何か。立命館大学ビジネススクール専任教授の山本真司さんは「問題やズレが生じたまま、1週間も2週間も放置していたら、軌道修正はその分遅れてしまいチーム全員が疲弊する。マネジャーはリスク・マネジメントの観点から、短時間で高頻度の『ムカデ型ミーティング』をするといい」という――。

※本稿は、山本真司『忙しすぎるリーダーの9割が知らない チームを動かす すごい仕組み』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

話しながら歩く2人のビジネスパーソン
写真=iStock.com/gremlin
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2週間に1回の「バッタ型ミーティング」の決定的な問題点

マネジャーがいつまでも「一兵卒」としてメンバーと一緒に現場を走り回るのはナンセンスです。

これはまさに「一人プロジェクト」であり、時間がいくらあっても足りません。

仮説が見えてからは、全体の仕事をメンバーに振り分けて任せて、あとは定期的なミーティングにより状況を把握し、適宜進捗しんちょくを確認するというスタイルで進めるべきです。松下幸之助氏の「任せて任せず」のスタイルです(※1)

問題は、任せたあとの進捗確認のミーティング頻度です。私が最初、上司から教わったミーティング頻度は約2週間おきというものでした。初めてマネジャーになった時は、何も考えずに2週間ごとにチーム・ミーティングを入れていました。

しかし、2週間おきで十分なのは、あくまで経験豊富で優秀なメンバーが揃っている時だけ。そうではない場合、2週間に一度のミーティングの頻度では少なすぎるということに、すぐに気づきました。第一、2週間も間が空いてしまうと、2週間前に何を議論していたのか忘れてしまいます。

マネジャーの私は、2週間に一回のチーム・ミーティングに出席し、終わったあとは席でじっとしている。また、2週間経つと突然、飛び上がってミーティングに出かけていく。まるでバッタのようでした。

このようなバッタ型ミーティングには、いろいろと問題がありました。前のミーティングで何を議論していたかを忘れてしまうだけでなく、メンバーに適切なタイミングでアドバイスができず、仕事の効率が悪くなってしまったり、リスクの兆しをつかみ取ることができず、気がついたら大きな問題になってしまっていたり……。

その結果、マネジャーとしてその尻ぬぐいに追われ、自分もメンバーもどんどん疲弊していってしまったのです。