(1)『市場を創る』 ジョン・マクミラン・著 NTT出版
…ある時代のある国の特徴だけにとらわれず、社会の成り立ちに起因する市場の多様性や変化の必然性を学ぶことができる。
(2)『行為の経営学』 沼上 幹・著 白桃書房
…自社の行動が、その行動の前提となっていた条件を変えてしまうという「意図せざる結果」を探求している意欲的な一冊。
(3)『複雑さを生きる』 安冨 歩・著 岩波書店
…複雑系科学の解説を通じて硬直的な計画制御と臨機応変なやわらかい制御という概念を提示し、やわらかな経営の価値を考えさせる。
(4)『「家族」と「幸福」の戦後史』 三浦 展・著 講談社現代新書
…我々が一般に思い描く「家族」像や「幸福」観は、高度成長期に意図的につくられたことを指摘した1冊。
(5)『桜が創った「日本」』 佐藤俊樹・著 岩波新書
…桜と日本人の結びつきは実はそれほど古くない。今もっとも一般的なソメイヨシノが社会にどう受容されていったかを解き明かす。
(6)『日本型マーケティングの革新』 池尾恭一・著 有斐閣
…これまで日本企業がどうマーケティングに取り組んできたか、その要点が上手に整理されている。
(7)『マネジメント』 ピーター・ドラッカー・著 ダイヤモンド社
…大恐慌を経験した後、戦後の企業の台頭を見ながら書かれた本書は今のような時代にこそ参考となろう。基本と原則を確認できる名著。
(8)『経営戦略を問いなおす』 三品和広・著 ちくま新書
…企業経営に重要な要素にどう優先順位をつけ、どうつなげばよいか。独自の枠組みを使い提示する。
(9)『仮説思考』 内田和成・著 東洋経済新報社
…コンサルタントを経験した著者の思考法。変化の激しい時代にマーケターが具体的な打ち手を考えるうえで有益な手がかりとなろう。
(10)『マーケティング優良企業の条件』 嶋口充輝・黒岩健一郎・水越康介・石井淳蔵・著 日本経済新聞出版社
…マーケティング先進企業の豊富な事例を通じ、市場情報の新しい活用方法と展開を分析。
(11)『ブランドが神話になる日』 ダグラス・ホルト・著 ランダムハウス講談社
…人々の心に寄り添うことで心の変化を敏感に読みとり、ブランディングに反映させていく米企業の事例を紹介。
(12)『ネットが変える消費者行動』 宮田加久子・金宰輝・繁桝江里・小林哲郎・池田謙一・著 NTT出版
…ネットの登場による消費者の行動変化が構造化されて示されている。
(13)『競争的共創論』 小川 進・著 白桃書房
…製品開発を中心にユーザー基点イノベーションの取り組みを紹介。現時点の日本企業の自画像として興味深い分析がなされている。
(14)『アメリカ人』 ダニエル・ブアスティン・著 河出書房新社
…大量消費社会をグローバルに牽引してきた米国人の生活や文化の形成過程を描いた本書の中に、マーケティングの原点が見出せる。
(15)『少女パレアナ』 エレナ・ポーター・著 角川文庫
…後ろ向きになりがちな出来事が多い時代を迎えた今、マーケターはパレアナに学び、「なんでも喜ぶゲーム」に取り組む姿勢が重要だ。

(宮内 健=構成 熊谷武二=撮影)