5月上旬に迫ったイギリス国王・チャールズ3世の戴冠式だが、現地の盛り上がりはいまひとつ。ダイアナ元妃は国王としての資質に疑問を持っていたと言われるが、実際はどうなのか。英国王室ウオッチャーの東野りかさんがその能力、性格、体力を検証する――。
2023年4月6日、ヨーク・ミンスター大聖堂で行われた、英国王室のイースターの恒例行事「ロイヤル・マウンディ」に出席する国王チャールズ3世とカミラ王妃。
写真=PA Images/時事通信フォト
2023年4月6日、ヨーク・ミンスター大聖堂で行われた、英国王室のイースターの恒例行事「ロイヤル・マウンディ」に出席する国王チャールズ3世とカミラ王妃。

戴冠式後のコンサートで大物アーティストが出演辞退

英国王室で最長の在位(70年)を誇った、エリザベス2世女王陛下が2022年9月に崩御。それと同時に、皇太子であったチャールズが国王となった。それから約8カ月後の5月6日に、ロンドンのウエストミンスター寺院で戴冠式が行われる。

戴冠式はコードネーム「ゴールデンオーブ(黄金の宝珠)作戦」として以前より入念に準備されている。式の招待状は「KING CHARLES & QUEEN CAMILLA」となっており、カミラ妃が公に初めて“王妃”を名乗った。

式典まであと1カ月を切っているが、イギリスではどうにも盛り上がりに欠けているようだ。英国在住の筆者の友人たちにその理由を聞いてみたところ

「私の周りで戴冠式のことを話題にしている人はゼロ!」
「戴冠のお祝いで、聖歌隊として参加している近所の教会では、曲がヘンデルの『司祭ザドク』に決まった。式の翌々日の月曜が振替休日になって学校が休みになるので、子供たちは喜んでいる。話題はそれぐらい」
「EU離脱後の混乱や物価高やらで、イギリスは問題が山積。はっきり言って戴冠式どころではないのでは」

といった声が聞かれた。

今年の年明けには残念なニュースを耳にした。

イギリスの大衆紙「デイリー・メール」によると、戴冠式の翌日にウィンザー城で行われるコンサートに出演を打診されたエルトン・ジョン、ハリー・スタイルズ、さらにはこのコンサートのために再結成の噂があったスパイス・ガールズはNGとのこと。

これら3組の前にも国王自らが出演を望んだというアデル、エド・シーランからも出演できないと返答があり、彼はとても落胆したそうだ。しかも、すでにスケジュールが入ってしまっているならまだしも、予定もないのに出演を拒否したアーティストもおり、テンションがダダ下がりだ。

そのかわりと言ってはなんだが、イギリスのポップバンド・テイクザットが参加。「オペラ座の怪人」の作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバー、ライオネル・リッチーがアメリカらやって来るそうだ。しかし、テイクザットは中心メンバーのロビー・ウィリアムズが出演しないし、ライオネル・リッチーに至っては、スターとして盛りを過ぎた感が拭い去れない。