問題はやはりハリー&メーガン

以上のように、国王として満点とは言えないにしても、今のところまあまあの及第点を取れているように思う。しかし戴冠式が盛り上がらないのはなぜだろう?

「エリザベス女王の戴冠式は、第2次世界大戦後の荒廃からイギリスが立ち直り始めた時におこなわれ、若く美しい女王は“新時代”の象徴でした。それに比べると、73歳の老王の戴冠式は、あまりワクワクするトピックではありません」(前出・塩田さん)

それでも、戴冠式の直近になれば、それなりの盛り上がりは期待できるかもしれない。なぜなら国王の最大のお荷物“ハリー&メーガン”が、式に出席してもしなくても人々の注目の一つとなるからだ。二人は出欠の返答をなかなかしなかったが、結局、ハリー王子は出席、メーガン妃は欠席となった。

やんちゃな末っ子ハリー王子は、メーガン妃と結婚するまでは、父とまあまあ良好な関係を保っていた。しかし、メーガンへの人種差別発言が端緒となって、二人は王室を離脱。今年初めに発売されたハリー王子の暴露本『スペア』は、英国王室のダークサイドを暴き、父、兄、継母をこき下ろし、麻薬や戦争での殺人など自らの悪行も書き散らした。しかしイギリス国民はいたって冷静で、「ハリーは頭が悪いからしょうがない」という受け止め方をしている。

2018年5月19日、ヘンリー王子とメーガン・マークルの結婚式で、メ―ガンのフェイスマスクを後頭部に着けている男性
写真=iStock.com/Raylipscombe
※写真はイメージです

こんな目に遭いながらも、王室のスリム化を図りながらも、国王はハリー王子の子供たち、つまり孫に「王子、王女」の称号を与えた。この称号があれば、子供たちに警護の費用が出るので、ハリー&メーガンはしてやったりだ。

こんな“バカ息子”をバッサリ切り捨てればいいものの、それができないのは親の愛情か、息子の母親を死に追いやった原因を作った負い目なのか。なんとも人間くさいチャールズ3世。彼の戴冠式の盛り上がりを期待したい。

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