「反対多数」という状況は本気度を示すチャンス
――平日開催の効果はどうでしたか?
【村井】ライブ配信が分散したことでライブ視聴数は過去最高を記録しました。さらに大きかったのは世の中にJリーグの情報が流れる頻度が増えたことです。金曜日の夜の試合だと、前日の木曜日にネット配信などで試合の告知をします。好カードならテレビも「明日は首位攻防」といった具合にスポーツニュースで取り上げてくれます。
金曜日には土日の試合の告知が入り、試合の結果は日曜日の夜のテレビや月曜日の新聞で取り上げられる。「フライデーナイトJリーグ」が始まったことで、木曜日から次の週の月曜日まで週5日間、何らかの形でJリーグに関するニュースが世の中に流れるようになりました。
金曜日の試合の後の出口調査でも「土日が仕事なので、初めて来られた」とか「仕事帰りに職場の仲間と見に来た」とか、今までとは違うJリーグの楽しみ方が生まれていることを実感できました。
この一件で学んだのは「現場はつねにトップの本気度を見ている」ということですね。トップが本気なら現場は動きます。トップにすれば「反対多数」という状況は、自分の本気度を示すチャンスでもあるんですね。