必ず一度はやってみて、経験を蓄積していく
ここで大切なのは、この2つの直感を区別する必要があることです。どうすれば、この2つを区別できるのでしょうか。そのために、うまくいく人たちがよくやっている習慣があります。
それが「必ず一度はやってみる」という習慣です。
たとえば、Bさんから誘われたとき一瞬「めんどくさいな」と感じても、とりあえず一度は行ってみます。すると、2種類の結果が待っています。それは、本当に行かないほうがよかったという結果。そして、意外と行ってよかったと思える結果です。
あなたにも最初は面倒だと思って行ったけど、行ってみたら意外と楽しかったという経験はないでしょうか? それと同じように、行ってみなければわかりません。そして行かないほうがよければ、二度と行かなければいいのです。
こういった経験を通して、いつしかこの2種類の直感を見分けることができるようになっていきます。
そういった意味では、本書の1時限目で述べた「内観幻想」(自分の感覚が正しいと思ってしまう認知バイアス)は、まさに本当の直感ではなく、過去の自分の考え方や体験に基づいた誤った直感(幻想)だと言ってもいいでしょう。
※1 感覚的なお告げ効果 Michel Tuan Pham, et.al.“The Emotional Oracle Effect”, Journal of Consumer Research, 2012, Vol.39(3), p.461-477
※2 感覚で判断するとき大脳基底核が発火 Xiaohong Wan, et.al.,“The Neural Basis of Intuitive Best Next-Move Generation in Board Game Experts”, Science, 2011, Vol. 331(6015), p. 341-346