だれかを叩く自分をちゃんと客観視できているか
逆に、前頭前野の機能が十全に働いているならば、普段から「自分はこう思う」「こうに決まっている」といった固定化された通念や常識・偏見にとらわれることなく、常に事実やデータを基に合理的思考や客観的思考を巡らせることのできる知的な人だと言うこともできるだろう。前頭前野は知能の座でもあり、他人をやすやすと責めるかどうかを見ることでその人の知的水準があらわになってしまうともいえる。
メタ認知ができていない人は、他者に共感したり、他者の立場で事情を斟酌したりすることが困難である。同時に、自分自身が現在どのような状況にいるのかということも、うまく把握できない傾向にある。「今、自分は正義中毒になっているかもしれない」と少しでも感じた時には、まずメタ認知を意識することから始めてみてほしいと思う。