だれかを叩く自分をちゃんと客観視できているか

中野信子『脳の闇』(新潮新書)
中野信子『脳の闇』(新潮新書)

逆に、前頭前野の機能が十全に働いているならば、普段から「自分はこう思う」「こうに決まっている」といった固定化された通念や常識・偏見にとらわれることなく、常に事実やデータを基に合理的思考や客観的思考を巡らせることのできる知的な人だと言うこともできるだろう。前頭前野は知能の座でもあり、他人をやすやすと責めるかどうかを見ることでその人の知的水準があらわになってしまうともいえる。

メタ認知ができていない人は、他者に共感したり、他者の立場で事情を斟酌しんしゃくしたりすることが困難である。同時に、自分自身が現在どのような状況にいるのかということも、うまく把握できない傾向にある。「今、自分は正義中毒になっているかもしれない」と少しでも感じた時には、まずメタ認知を意識することから始めてみてほしいと思う。

【関連記事】
卒アルを晒し家族もろとも追い詰める…寿司テロ少年"微罪"を叩きまくる大人たちの行き過ぎ
「なんでオレの年金がこんなに少ないんだ」年金事務所に怒鳴り込んでくる高齢者の"被害者意識"の心理構造
だから森喜朗元首相は問題発言を繰り返す…精神科医が分析する"自分が悪いと気づかない人"の共通点
和田秀樹が警鐘…「何をもたもたしているんだ」高齢者にイラつく不寛容な空気が認知症を増やす
「精神科医が見ればすぐにわかる」"毒親"ぶりが表れる診察室での"ある様子"