糖質オフは「やせる」「やせない」、どちらが本当なのか。内科医の水野雅登さんは「糖質オフと同時に食事全体を減らしてしまう人がいます。結果として栄養不足に陥って、体がかえって脂肪をため込もうと、極端に太りやすい体質に変わることも。大切なのは、糖質オフと同時に、肉や卵、魚などのタンパク質と鉄分をしっかりとることです」という──。(第3回/全3回)

※本稿は、水野雅登『医師が教える 40代からの神ダイエット』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

「糖質オフ」ダイエットのありがちな失敗

糖質をとらなければ、新たな脂肪は体につかない。では、糖質を控えれば、どんどんやせるのでしょうか?

いえ、それだけではさほどダイエット効果は上がりません。糖質を控えるだけでは、すでに体にたっぷりついてしまった脂肪は燃えることなく残り続けることがあります。糖質オフでありがちなケースです。

糖質オフと同時にタンパク質と脂質も減らしてしまえば、当然ながら体を動かすエネルギーが極端に減ってしまって、フラフラになってしまいます。こうなると、糖質オフではなく、単なるカロリー制限です。

「糖質制限をしたら、体調が悪くなった」と言う人がときどきいますが、それはこのケースであることがほとんどです。

糖質オフと同時に、肉や卵、魚などをしっかり食べることで、はじめて糖質オフのダイエットはうまくいきます。肌や髪、筋肉が衰えることなく、脂肪だけが落ちてきれいにやせられるのです。

異なる種類の動物タンパク質
写真=iStock.com/carlosgaw
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「食事を減らす」のは間違い

食事全体を極端に少なくするダイエットは、一時的に体重が落ちても、極端に太りやすい体質に変わってしまいます。栄養失調に陥った体は、次に、入ってきた栄養を必死に脂肪として蓄えるようになるからです。

通常の食事に戻しただけで、一気にリバウンドが起こり、減食前よりも体重が増えてしまうのです(この現象を経験されたことがある方は多いでしょう)。

そのため、ごはんやパンなどの糖質を減らすと同時に、肉や卵などのタンパク質をしっかり食べることが重要です。

まず、人間の体の主材料であるタンパク質がなければ、代謝そのものが停滞して脂肪がどんどんついてしまいます。

次いで重要なのが、鉄です。肥満がある患者さんたちは、必ずといってよいほど、鉄不足が見られました。それもそのはずで、鉄は体の「脂肪燃焼機関」を動かす材料だから、足りなくなるとどんどん太ります。