けっして食べ過ぎてはいない。運動もしている。なのに、40歳を超えてからどんどん太り出すのはなぜなのか。セブン-イレブン限定書籍『医師が教える 40代からの神ダイエット』を上梓した内科医の水野雅登さんは「40代にもなると20代のころに比べて大きく筋肉量が減ります。消費するエネルギーも減ります。それなのに食事は同じ。その“差”がしっかり脂肪になるのです」という──。(第1回/全3回)

※本稿は、水野雅登『医師が教える 40代からの神ダイエット』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

男性40代、女性50代が肥満のターニングポイント

40代以上の肥満の9割は、食事が原因──。

そう聞くと、「20代、30代のころと変わらない食事をしていて、決して食べ過ぎてはいません!」と答える方がほとんどでしょう。しかし、加齢とともに体重が増加する人は非常に多い、という事実があります。

水野雅登『医師が教える 40代からの神ダイエット』(プレジデント社)
水野雅登『医師が教える 40代からの神ダイエット』(プレジデント社)

厚生労働省が令和元年(2019年)に行った国民健康・栄養調査報告によると、肥満度を表す指数BMIが25以上の「肥満」に当たる人は、20代では16%に留まりますが、30代では21.5%、40代になると27%と確実に増加しています。

この傾向はとくに男性に顕著で、男性の肥満は30代で29.4%、40代になると39.7%に跳ね上がります。40代になると、男性は実に、10人中4人が肥満となるわけです。

女性の場合は30代で15%、40代で16.6%と、男性と比べると比較的緩やかですが、これが50代になると20.7%となるため、10人に2人は肥満となります。

つまり、男性は40代、女性は50代が肥満になるターニングポイントなのです。

太った女性のシルエット
写真=iStock.com/Oleg Elkov
※写真はイメージです

加齢で肥満が増える原因は「筋肉量の減少」

加齢で肥満が増える理由は、主に筋肉量の減少にあります。

加齢するにしたがって筋肉量が減ってしまうことは、聞いたことがあるでしょう。とくに下肢(足回り)の筋肉量は、驚くことに20代後半から徐々に減少しはじめます。

そして、全身の筋肉の減少が加速するのが、40代から50代にかけて。まさしく、体重が増えはじめる時期とリンクしています。

そして、男性は女性よりも筋肉量が多いぶん、その減少の割合が女性よりも多いこともわかっています。そのため、体重の増加も顕著に現れると考えられます。