安保理のせいで紛争が起こりやすくなっている
通常戦力で相手を圧倒し、台湾侵攻を成功させることができるなら、わざわざ戦術核兵器を使うメリットは何もない。国際的な非難をあびるうえ、中国本土も同等の核兵器で反撃されても文句が言えないからだ。
国際社会でいま、軍事作戦を実行に移しやすいのは、つぎのような国家だ。
(1)核兵器をもっている。だから、反撃されにくい。
(2)通常戦力がそれなりに充実していて、軍事作戦が実行できる。
(3)国連安保理の常任理事国なので、拒否権があり、国連を足止めにできる。
(2)通常戦力がそれなりに充実していて、軍事作戦が実行できる。
(3)国連安保理の常任理事国なので、拒否権があり、国連を足止めにできる。
ロシアも中国も、この条件にあてはまる。そして、実はアメリカも、この条件にあてはまる。だからときどき、軍事作戦に手をそめる。イギリスも、この条件にあてはまる。だから、フォークランド紛争で軍事作戦に踏み切った。
安保理の常任理事国のポストは、自由に勝手に「特別軍事作戦」を起こすための、指定席のようになっている。「安全保障」の看板とはうらはらの、皮肉な現実だ。国連があるおかげで、かえって国際武力紛争が起こりやすくなっていないか。