腹式呼吸で読経が体の免疫力を上げる
僧侶は宗派にかかわらず、さまざまなお経をあげます。お経とは、ひとことでいえば、お釈迦さまが説いたたくさんの教えを、弟子たちがまとめたものです。
世の中の真理や、私たちが心安らかに生きていくための知恵など、ありがたい文言が並んでいます。
そのお経をあげることが、近年は健康法としても注目を集めているそうです。とりわけ腹式呼吸で読経すると、体の免疫力が上がり、心はリラックスし、脳の働きが活性化するともいわれているのです。体も心も整えてくれます。
私も毎朝どころか、ときには一日中、お経をあげていますので、身をもってお経の心身に与えるいい効果を実感しています。
みなさんも朝の坐禅に、加えて読経を取り入れてはいかがでしょうか。坐禅に引き続いて読経、このほうがむしろ取り組みやすいかもしれません。
おすすめは「般若心経」です。短いので、さほど負担にはならないかと思います。それにもかかわらず、その効果は大きいので、ぜひ実践してみてください。
朝から元気な人の「声を出す」習慣
「読経はハードルが高い」という人も、何かしら「声を出す」ことはやったほうがいいかと思います。
とくに寝起きは、口の中が乾くこともあって、声がかすれがち。そのまま無言でいると、会社に着いてからも、なかなか調子が出ないでしょう。けれどもお腹の底から、声を出してごらんなさい。元気がモリモリわいてきます。
たった、ひとことでもいい。たとえば「今日も一日、がんばるぞ!」とか「何もかもうまくいくぞ!」「いい一日にするぞ!」などと大声で叫ぶだけで、自分に気合いを入れることができます。
声に出すと、その言葉が自分の耳に入り、脳に伝達されるので、気持ちが整い、自然と心が奮い立つでしょう。
少々古い話になりますが、その昔、経団連の会長を務められた土光敏夫さんは、毎朝、「エイッ! エイッ!」と大きな声を出しながら、剣道の素振りをされたそうです。
そのあとで「般若心経」をとなえられた、とも聞きます。この朝の習慣が、土光さんの仕事、人生にいい影響を与えたのではないでしょうか。