体いっぱいに朝陽を浴び「朝の気」を深く吸い込む

窓を開けたタイミングで、朝陽のほうを向いて、深々と一礼。同時に、深呼吸を2、3回するといいでしょう。曇っていても大丈夫。厚い雲の向こうには、いつだって太陽が光を放っています。

起床後すぐに朝陽を浴びることは、健康にいいとされています。理由はおもに3つ。第1は、脳に光が届くと、メラトニンという眠りに誘うホルモンの分泌が抑制されて、体がスムーズに活動モードに切り替わること。

第2に、幸せホルモンとして知られる脳内物質のセロトニンの分泌量が増えること。そして第3に、免疫力を増強するビタミンDが生成されることです。

体いっぱいに朝陽を浴びながら深呼吸をし、朝の空気を胸深くまで吸い込みましょう。さらに東から南、西、北と四方を拝むことをおすすめします。

これはその昔、朝廷が正月に行なっていた「四方拝」と呼ばれる儀式のようなもの。天皇がその年の災厄を払い、皇位の長久を祈ったように、その日一日の無事を祈って拝むといいでしょう。

目覚めたことに感謝する“幸せ体質”の磨き方

たとえば病床にあるなど、自らの命に限りのあることを強く意識している方は、よくこんなことをおっしゃいます。

「朝、目覚めると、『ああ、今日という新たな一日を、生きて迎えることができた。ありがたいな。幸せだな』と、幸福感に満たされる」と。

健康だとそういう感覚はなかなか持てないものです。「毎朝、目が覚めるのは当たり前」と思ってしまうからでしょう。

しかし「命に限りのある」ことは、万人に共通の現実です。誰もが「生きて新しい一日を迎えられる」とは限らないのです。

朝起きたときに抱くこの「幸福感」は、持ったほうがいい。窓を開けて、昨日とは違う今日の景色に目をやり、朝陽を拝みながら、あるいは深呼吸をしながら、「ありがたいな」と感謝し、しみじみと幸福感に浸りましょう。

なんといっても、幸福感は健康に資するビタミン剤。ほんの短い時間でも、「幸せだなあ」と思うと、それだけで心が整い、“幸せ体質”が磨かれます。