きれいな部屋をキープするにはどうすればいいのか。整理収納アドバイザーの米田まりなさんは「散らからない仕組みをつくることがポイントだ。服を減らして解決しようとする人がいるが、それでは根本的な解決にはならない」という――。

※本稿は、米田まりな『あの人にイライラするのは、部屋のせい。』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。。

クローゼットから服を選ぶ人
写真=iStock.com/miniseries
※写真はイメージです

洋服1着のスペースは「3cm」

「クローゼットもタンスも洋服がギュウギュウ。入りきらないから、ハンガーラックを買い足そうかな」
「洗濯物の山から服を抜き取って着るから、クローゼットにある服はほとんど出番がない」
「パートナーの服が多くて、自分のスペースが侵食されている」

などなど、服の収納に関する悩みはつきません。

捨てられないモノの筆頭にあげられるのが衣類。服は片づけ難易度の高いアイテムですが、家族仲良くスペースを分け合えば、片づけはうまくいきます。

まず取り掛かるべきは、収納可能な枚数の測定です。

メジャーを用意してください。ハンガーラックもタンスも、洋服1着の収納幅は「平均3cm」。掌の厚みは2.5~3cm程度なので、手を入れてもスムーズに取り出せるというのが数値の根拠です。

ハンガーラックは、一般的な賃貸マンションでは90cm~120cm幅で設計されていることが多いですが、120cm幅であれば40着が上限(120cm÷3cm)、夫婦で使うなら各々20着ずつとなります。

タンスは、横幅60cm×3段の場合、180cm÷3cm=60着の服が収納できます(分厚いセーターや薄いシャツなど、アイテムによって厚みは変わるため、あくまで目安値です)。

洋服はできるだけたくさん、ギュウギュウに詰め込みたくなる気持ちもわかりますが、3cm以下の間隔で詰め込んでしまうと、服が見えない、服が戻せない、重圧で痛むなどのデメリットがあります。力を入れないと出し入れしにくくなるため、出しっぱなしの原因になったり、着る服が偏り、奥に収納した服が死蔵品と化します。

おすすめは、ハンガーの本数を決めること。揃いのハンガーを、収納可能枚数分だけ購入することで、見た目にも統一感が出てスッキリします。

江戸時代には「衣替え」を年4回行なっていた

「理想の所有数が分かったとしても、洋服は減らせない」「そもそも、ハンガー20着&タンス30着に服を絞れるわけないでしょ」という声もあるでしょう。

メルカリが2019年に20~60代男女1030人に行なった「衣替えに関する実態調査」によると、男性は平均48点、女性は平均105点のアパレル関連アイテムを保有しているとのこと。

平均程度の保有量でも、賃貸マンションの収納スペースには収まらないことが大半で、特に男性が服を50点以上保有している家庭では、クローゼットなどの収納場所だけではどうにもならないようです。

そこで提案したいのが「戦略的衣替え」です。

歴史をひも解くと、衣替えは平安時代に中国より伝来し、江戸時代には年4回、洋装が導入された明治時代以降は年2回が主流となりました。

例えば、夫婦で合計200着の衣類を保有していて、クローゼットとタンスの容量100着分相当の場合、衣替えは年2回実施するのが適切です。