※本稿は、犬塚壮志『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』(サンクチュアリ出版)の一部を再編集したものです。
明らかに私を嫌っている人、どうすればいい?
あなたは職場の対人関係で、「自分はあの人に嫌われているんじゃないか?」と悩んだことはないですか?
例えば、異動してきたばかりの上司となんだかソリが合わず、「自分は○○部長に疎まれているんじゃないかなぁ……」、初対面のときに失敗して部署の先輩とギクシャクしているなど。
明らかに嫌われていると感じていても、同じ職場の人であれば毎日のように顔を合わせなければなりません。それは強いストレスになり、仕事に影響を及ぼします。
上司や先輩が自分以外のメンバーには笑顔で接しているのに、自分が話しかけると、素っ気ない態度であしらってきたら、その集団にいるのが嫌になってしまうでしょう。
じつは正直に打ち明けると、私自身かつては組織内での対人関係づくりがとても苦手で、上司とぶつかり、精神を病みかけたことがあります。
新卒3カ月で退職、転職しても足の引っ張り合い…
私は新卒で学校教員になりました。ところが、科目主任である上司と合わず、たったの3カ月で退職。苦い思い出になっています。当時はとにかくその上司と合わず、勤務時間外で自宅にいるときも電話がかかってきて、業務内容のことで詰められていました。次第に学校に出勤するのを苦痛に感じ、家を出る直前は自宅のトイレで嘔吐することも。結局3カ月でその高校を退職することになりました。
その後は、組織のしがらみがあまりなさそうな予備校講師という仕事を選択。ところが、そこでも人間関係は一筋縄ではいきませんでした。より多くの生徒からの支持を集めることが評価と報酬に直結する予備校講師という仕事の性質上、特に同じ科目の講師同士は互いがライバル関係です。
新人だった私は、先輩講師たちが足の引っ張り合いをしているのを何度も目の当たりにしました。また、一般の会社と同じく派閥や社内政治の駆け引きもあり、みんながみんな仲がいいわけでも、組織のしがらみのない職場でもありませんでした。
このように職場の人間関係には、身を置いてみないとわからない緊張感があります。もし、その輪の中で上司や先輩から敵対視されたり、お互いの足を引っ張り合うような職場環境に身を置いてしまったりした場合は、どう対処すればいいのでしょうか?