努力をした人を「引き上げる米国」と「引きずり下ろす日本」

また、アメリカは国として優秀な人材を集めようとしています。移民に対する厳しい姿勢で知られたトランプ政権下でも、コロナでビザ発行を中止した時でも、研究者などの優秀な人材にだけはビザが発行されていました。

一方、日本でも移民政策が議論されていますが、その論点はあくまでも「労働力不足の解消」です。もちろん人手不足のアメリカにもそういう側面はあるにはありますが、より重要なのは高い報酬に惹かれて世界各国から集まってくる優秀な人材のほうです。

そもそも日本ではいくら仕事の環境を整えたところで、成功しても大して豊かになれないのだったら誰も来ないでしょう。アメリカに行けば環境も整っている上に、大金持ちになれるのですから。

いわば、アメリカは「努力をした人を引き上げる国」「天才を引き上げる国」。一方の日本は「努力をした人を引きずり下ろす国」「天才を引きずり下ろす国」。その差は極めて大きいと言わざるを得ません。

日本は「共同貧困」に向かっている

そもそも、日本にはアメリカのような真の富裕層などはほとんど存在しません。さらに、中間層すらいなくなりつつあります。そんな状況下で格差を是正しようとすると、どうなるか。国全体が平等に貧乏になっていくのです。

藤巻健史『超インフレ時代の「お金の守り方」』(PHPビジネス新書)
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日本では経済の活性化を唱える政治家よりも、国民の格差是正を訴えるリーダーばかりが支持を集める傾向があります。それは国全体で貧しくなることだ、という一面があることも、理解していてほしいと思います。

中国の習近平国家主席は「共同富裕」というスローガンを打ち出していますが、日本の場合は「共同貧困」へ向かっていると思わざるを得ません。

イギリス経済を復活させた「鉄の女」マーガレット・サッチャー元首相は、「人のポケットに勝手に手を突っ込むな」という名言を残していますが、まさに、そのとおりなのです。政治家が税金を集めて、自分の票を集めるためにバラマキを行うことに対する警告です。

昨今、資本主義の終わりということが盛んに言われていますが、こと日本に関して言えば、「資本主義が終わろうとしている」のではなく、「資本主義でなかったから終わろうとしている」のです。

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