ハイブリッドにすることで燃費が半分になるとすれば、ハイブリッド車を100%普及させればCO2削減率は50%となる。トヨタがずっと主張しているのはこの点で、先日の新型プリウス発表会でもしっかり強調していた。
BEVが普及させられるところは普及させればいい。しかし、世界中の車をBEVにするのは当面の間不可能である。ではどうすればよいか。CO2を削減する方法論を多数用意するほうが、結局のところCO2の総量削減には貢献するのだ。
目的と手段を取り違えるな
トヨタはインドネシアやインドなどで生産される新興国市場向けのモデル、イノーバにもハイブリッドモデルを追加するなど、グローバルなハイブリッド化にも取り組み始めている。
長期的な理想は全車BEV化であったとしても、現状では生産プロセスでガソリン車より多量のCO2を排出してしまうし、火力発電がメインの国(現状は多くの国がそうである)ではそもそもCO2削減効果が少ない。
中国という政治的要素も絡む話なので、来年以降の中国以外の地域でのBEV普及の伸びは鈍化するだろう。
日本が進むべき「道」とは
日本でも火力発電がメインな現状では中国に利することになってしまうBEVに補助金を出すのではなく、もっと多くの人がハイブリッドを選ぶようにするような施策をとるべきだと思う。
そのほうが当面のCO2削減に圧倒的に効果的だと思うからだ。
繰り返すが、目的はCO2排出量の削減であって、拙速なBEVの普及ではないのだ。