「サブスクが流行っているから」ではない

また、これまでは中古車がすぐに売れるわけではありませんでした。だから、販売店も熱心ではなかった。ところがコロナ禍で新車、中古車が払底してきて、中古車がなかなか手に入らなくなりました。

それがKINTOなら確実に手に入る。販売店としてはKINTOを勧める大きなメリットがあるわけです」

時代環境もありますが、サブスクは販売店にとってありがたい新商品になってきたのでしょう。だから、成長しているわけです。

小寺さんの話を聞いていると、KINTOが成功した背景には『サブスクが流行っているから』というムードによるものではないことがわかります。独り勝ちするのではなく、関わる人たちが得をするような企画にする。この場合は販売店です。

自分だけが得をする新事業を熱心にサポートしてくれる人はまずいないと考えたほうがいいでしょう。

不人気と思われていたEV車が人気になった

トヨタがBEV「bZ4X」を出したのは2022年の5月でした。初年度の生産は5000台で、すべてKINTOが扱うことになっています。つまり、トヨタのEVに乗りたいと思うユーザーは今のところサブスクの契約をするしかない。このことで、KINTOはますます人気が高まっています。

しかし、小寺さんは慎重です。今後もEVに関しては少しずつマーケットに出していこうと考えています。

ただし、生産制約がありまして、半導体がないし、バッテリーを作れないので、初年度5000台のうち、年内納車ができるのは多くはありません。

トヨタは国内向けに自動車150万台を作っているわけですから、それからすると年間で5000台は決して多くはないですね。ただ、トヨタだけの事情ではなく、国内にはまだ環境が整っていないんです。充電器インフラが不足していますし、ユーザーのバッテリーに対する不安といった問題もあります。まだまだBEV(バッテリー式EV)が一足飛びに普及していくとは思えません。徐々にEVファンを増やしていこうと思っています」

“サブスクとの相性がいい”その理由

EVの全車をサブスクにしたのはどうしてなのでしょうか。

「下取りの不安がないことでしょう。バッテリー性能の劣化に対する不安もありません。仮にバッテリーが劣化してもサブスクです。お客さまご自身の車ではありません。

そしてサブスクが終わった後、バッテリー、車体とも全数、うちに戻ってきますから、3R〔リデュース(ごみの減量)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化)〕に回すことができます。お客さまにとっても、地球環境にとっても悪いことではありません」