家計簿アプリで使途不明金をあぶり出す

次に「出」を調べます。

これは現役時代と定年後ではかなり金額が違ってきますが、まずは今の時点での支出を確認します。

そのために必要なのは家計簿をつけることです。私も定年になる2年前からこの習慣を身につけて支出金額を把握しました。今は家計簿をつけるといっても「家計簿アプリ」を使えば簡単にできます。

家計簿アプリは支出の「見える化」だけでなく、もう一つの効用があります。それが「使途不明金」の把握です。

スマホのアプリで月の収入支出を確認
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大体、お金というものは「いつの間にかなくなってしまっている」という性格が強いものです。

「何に使ったのかわからない」という使途不明金が結構あるからです。

ところが、家計簿アプリを使うと、会社の帰りに毎日寄っているコンビニの利用状況とか、アマゾンや楽天などの通販サイトで買った金額がずらーっと並ぶことで、いかに自分がそういうものをたくさん利用していたかが白日のもとに晒されるのです。

漠然とした不安は見える化で解消できる

このように家計簿アプリ等を使って日常生活の使途不明金を把握することは重要ですが、それと同じくらい、いや場合によってはそれ以上に大事なのが惰性でほったらかし状態になっている固定費です。具体的には不要な保険や使っていないサブスクのサービスといったものです。どこかの時点でこういった無駄な固定費がないかどうかのチェックはすべきでしょう。

このように定年後のお金に対する漠然とした不安は、この「見える化」をすることで解消されます。私自身が定年になる少し前からこの「見える化」を続けてきたので、それはよくわかります。

結局、大事なことは特別なノウハウでもなんでもなく、収支をちゃんと把握するというごく当たり前のことなのです。