対策2:情報コースの大幅増員、希望者は全員情報コース選択可能にする
理工系の大学受験では、実験設備の関係で定員上限を設けざるを得ないが、近年大人気の「情報コース」はパソコンとネット回線さえ拡充すれば定員増加は比較的容易である。また、IT産業やシステムエンジニア職は年功序列文化が薄く、在宅勤務やフレックス勤務も普及しており、リケジョの生涯就業が可能である。さらにGAFAMと呼ばれる外資系IT企業群では医師を超える年収も夢ではない。
しかしながら、現在の東工大の情報コースは希望者に比べて定員があまりに少なく、「どうせ第一希望のコースに行けないのなら、医学部の方が将来の収入は確実」と、医学部に流れてしまいがちだ。
女子学生を集めたければ、推薦入試よりも、卒業後の魅力的なキャリアパスを提示することが王道である。また社会構造の変化に応じて、専攻別の定員を見直すことも考えるべきだろう。
対策3:女性枠を提唱する教官は、早期辞職してポストを譲るべき
東工大の学長は「日本社会は女性に不公平だったので改善」と説明しているが、今回の女子枠で犠牲となる143人の男子高校生は、どう考えても女性差別の責任者ではない。それでも「東工大に女性を増やすには多少の犠牲はやむなし」と主張する教官は自ら早期辞職することで、後進にポストを譲ってはどうだろうか。「女性率20%」が目標ならば、自分自身も「任期より20%早く辞職」すれば、組織の若返りに貢献できる。
理工系では「若い世代ほど女性率が高い」ので、組織の平均年齢が下がれば、自然と女性率は上昇する。若い男性に犠牲を強いるならば自らも痛みを分かち合う方が、周囲からの理解も得られると思うが、ぜひご一考いただきたい。