「できる学生」「できない学生」はここが違う

「自分は5%社員のようにはできない」と思った方もいるかもしれません。しかし、そんなに難しい話ではありません。たとえば、あなたが学生から就職活動の相談を受けた時を想像してみればよく分かると思います。

一般によくいる学生は、「どの会社に就職するといいでしょうか?」などと聞いてくるのではないでしょうか。

一方、結果的に就活に成功する“できる学生”は、「私は営業力を鍛えたいのでA社に就職したいと思いますが、賛成ですか?」などと具体的に聞いてきます。自分で調べ、悩んだうえで、仮説を立て、自分なりの意見を整えて、選択肢を並べて質問をしてくるのです。

あなたが相談を受けたとしても、前者のように、あまり考えずに漠然とした相談をされるより、後者のほうが「真剣に支援しよう」「経験を伝えよう」と思うのではないでしょうか。

20代で信頼を獲得し、30代で抜擢される

5%社員が20代などの若い頃から実践していることも同じです。

自分でしっかり考えたうえで、相手に相談する。その姿勢は相手を魅了し、支援を受けやすくなります。

ビジネスマン
写真=iStock.com/sanjeri
※写真はイメージです

自分で調べて考え、自分の意見を整えてから、相手に配慮しつつコミュニケーションをして相手を巻き込む。

こうした、ある種“したたか”ともいえるアプローチによって、20代のうちから「信頼」を高め、30代で要職に抜擢されるのを待っている。それが5%社員です。

「声かけ力」が人生を分ける

最後に、声かけのうまい人とそうでない人とで、現実にどのような「差」が生まれるのか、同じ商社に同期入社したAさんとBさんの実例を見てみましょう。

Aさんは上司に恵まれ、丁寧に教育されました。

要領がよく、愛くるしい笑顔が魅力的なAさんは、先輩たちからもかわいがられ、のびのびと仕事に取り組むことができました。上司や先輩には何でも気軽に話しかけることができ、いつでも助力が得られる環境でした。さらには、同期に比べてずっと大きな取引案件を任されることもあったそうです。