精子の質を悪くする習慣
ちなみに、精子に悪影響を与えるのは精神的ストレスに限りません。精巣を過度に温めることも、精子に悪影響を与える大きな要因になります。体に精巣を密着させるようなタイトなトランクス、サウナや長風呂、ひざ上にパソコンを乗せて作業するといったことは、妊活中は避けたほうが無難です。
また、近年は喫煙者がめっきり減りましたが、タバコも精子の質を悪くします。
不妊治療で僕のところに受診されたある30代男性は、自他共に認めるヘビースモーカーで、1日30本以上吸っていました。
この男性の精液を検査してみたところ、正常値1500万/mL以上といわれる精子濃度が、100万/mL以下という結果に。
正常値の15分の1以下という数字にショックを受けた男性は、すぐに禁煙をスタート。半年後の再検査では、無事、精子濃度が6000万/mLと正常レベルに回復していることが確認できました。
その男性は勃起には問題なく、セックスも普通にできていたため、「子どもができない原因がまさか自分にあるとは思わなかった」と話していました。
不妊原因を持つ確率は男女でほぼ同率
このヘビースモーカーの男性のように、世間では「不妊」というと「女性に原因がある」と考えてしまいがち。しかしWHO(世界保健機関)の調査では、不妊原因を持つ確率は男女でほぼ同率であることがわかっています。
子どもがなかなかできないとき、たとえ男性の勃起や射精に問題がなくても、男性側に原因がある可能性も十分にあります。
不妊治療を始めるときは、夫婦共に検査を受けることが必須と考えてください。