お局様誕生秘話

職場だって同じこと。

ベテランは、若い人の何倍も見えている。「自分なら、こうするのに」が山ほどあって、それをやらない若手にイラッとする。せめて感謝してくれれば溜飲が下がるのに、誰も何も言わない。で、つい「なんで、やらないの? 見てればわかるでしょ」なんて言っちゃって、お局様と呼ばれたりする。

感謝のない相手にイラッとするのは、そういうわけ。年齢に関係なく、「仕事ができない人」も同様に着眼点が少ない。

だから、仕事ができない人ほど感謝せず、仕事ができる人ほど感謝する。そんな、腹立たしい矛盾が起こるのである。デキる上司ほど部下をねぎらい、デキない上司ほど文句ばっかり言う。

人は「見えているのに、あえて無視して、感謝もしない」のではない。「見えてないから、感謝するきっかけがない」だけ。

そういう相手に、「これしてあげた」「こうもしてあげた」と言い続けるのは恩着せがましくて、うるさがられるだけだし、これはもう打つ手はない。この人は、感謝するほどのセンスもないのだと覚悟を決めるしかない。

「自分がしたいからする」へのシフト

自分と同じ人間はいない。違う人間のほうが圧倒的に多い。だから、自分軸だけでものごとを判断していたら、どうしても傷ついてしまう。

女性はよく、「普通はこうするよね」とか、「普通はこういうことしないよね」と口にする。自分の「普通」がみんなの「普通」だと信じて疑わない。でも、残念ながらみんなの「普通」はこの世にないし、自分の100を100全部見てくれる人もいない。

「私、何やっているんだろう」と立ち止まってしまったら、キッパリ、「いい人だと思われたいからやる」をやめてみよう。

今後は、家事も、自分のタスク以外の仕事の気遣いも、「自分がそれをして気持ちいいからやる」と決めよう。

「自分が美味しく食べたいから料理を作る」「自分が気持ちいいから掃除をする」「自分がそうしたいから、人を気遣う」の域でやめておく。やりたくないことは、徹底して合理化すればいい。

50歳を過ぎたら、自分がやりたくもないのに、他人のためだけに動くのには限界がある。「自分がやりたいからやる。たまさか、それを楽しんでくれる人がいたら、ラッキー」くらいに思っていればいい。

仕事も同じ。気配りもそこそこで大丈夫。

あなたひとりの気配りがなくても、世の中はなんとか回っていく。少しくらいギクシャクしたほうが、若い人の学びにもなる。

あとは、できるだけ、自分が好きでたまらないものに出会ってね。