リフォーム業者を選ぶときの目安はいくつかありますが、マンションの場合、マンションのリフォームを手がけた実績が豊富かどうかがポイントです。

マンションは一戸建てと違い、管理組合に書類を出すとか、エレベーターを使うとき傷つけないように養生するとか、細かい制約が多いものです。またドアに窓を付けて風通しをよくする、壁の厚みを利用して収納をつくるなど、マンションの特性を生かした提案をしてくれるかどうかも重要です。

具体的な探し方としては、まずインターネットでリフォーム仲介サービスのサイト(リクルート・大阪ガス・NTT西日本・NTT東日本が出資した「ホームプロ」など)を利用して、匿名で概算の見積もりを取るという方法があります。その前に、そのサイトではどういう基準で業者を登録しているかをチェックしましょう。誰でも簡単に登録できるところは、よくない業者が紛れ込んでいる危険性もあります。

さらに、やはりインターネットを使って近所にどんなリフォーム業者があるかを調べてみましょう。いまはたいていのリフォーム業者がホームページを持っています。そのなかで自分の近所にあるところを探してみてください。アフターケアを考慮すると、やはり近いところのほうが便利です。あるいは散歩の途中でリフォームしている知り合いのお宅を見つけたら、「どちらの会社にお願いしたの?」と聞いてみるのもありです。

「ここはいいかも」という会社が3社ぐらいピックアップできたら、相見積もりを取ります。その際に気をつけるべきなのは、金額だけで比較しないことです。見積もりの書き方は業者によってまちまちで、業界の統一形式がありません。

たとえばA社がふすま4000円、B社が6000円と出してきたとしても、A社が安いとはかぎらないのです。B社のほうは経費を乗せているのかもしれませんし、A社の4000円はふすま代だけで、経費は別かもしれません。見積もりを受け取ったら、現場で一項目ずつ指さし確認しながら説明を受ける必要があります。

そうすると、「A社はここしか塗ってくれないけど、B社はもっと広い範囲を塗る。だからB社は高かったんだ」というように、書類だけでは見えなかったことがどんどん見えてきます。とはいえこれは一仕事ですから、一度に見積もりが取れるのは3社が限界でしょう。

また、リフォーム業者は実際に家の中に入って作業する人ですから、性格的な相性も重要です。時間に正確か、言いたいことが言える相手かなども確認してください。業者探しは婚活みたいなものです。自分に合った相手を見つけるためには、情報をしっかり収集する必要があります。その手間を惜しんでは成功するリフォームはできないのです。