アンケートフォームはすぐつくれるし、集計も早くて、集計した結果がグラフにもできるので、見栄えもいいところがあります。あたかも「きれいな結論」が出たかのように思えます。

しかし、この決め方はあまりにも「形式的」です。AとBという選択肢があったら、当然両方にメリット・デメリットがあり、AとBそれぞれに、主張した人の思いがあります。しかし、この症状のもとでは、そうしたものが共有されておらず、結果だけがグラフで出力されます。そこに腹落ち感や納得感が得られないケースが多々あります。

結局、物事は決まったけれど、誰も従わない。決まったことをフォローするモチベーションがわかない、といった事例が生まれます。

あなたの周りには「アンケートフォームで意見すいあげちゃう病」の人はいませんか?

話し合いが無駄になる「誰もついてこない病」

議論を通じて、「これから何をするか」「どんなルールにするか」などを決断した後には、必ず「自発的フォロー」が必要です。

自発的フォローとは、自分と違う意見が結論になったとしても、納得して、自発的に決まったことに貢献することです。それがなければ、民主的なプロセスを経て決まったとしても、物事はいっさい前に進みません。話し合ったこと自体が無駄になります。

【図表5】「誰もついてこない病」
イラスト=『話し合いの作法』より

決まったはいいけど、誰も決定に従わないという「自発的フォロー」の欠如が散見されます。「これで行こう!」といざ決めても、振り返ったら誰もいない……。そんな病が、特に若い人の集まりで非常によく起こります。

私のゼミでも、こうした事態は頻発します。だから物事を決めるときには、「決めたことは必ず自発的にフォローしてくださいね」と、しつこく言うようにしています。

あなたの周りには「どんなに決めても、自発的にフォローしない人」はいませんか?