この病にかかっている人には、3つのケースがあります。1つめのケースは、自分自身にあまり自信がないため、否定を繰り返すことで自分を保とうとするケースです。2つめのケースは、常に自分自身が相手よりも優位に立たなければならない、と思い込んでいるケースです。
3つめのケースは「よかれと思って、否定や反論」を繰り返しているケースです。「話し合いとは、議論を戦わせること」なのだから、自分の意見をただちに表明することは「相手への貢献」だと思っているのです。
話し合いで最も大切なことは、まずは、お互いの意見を表出させ、いったんは受容することです。それを行わないため、この病に罹患している人が多い話し合いでは、雰囲気が悪くなります。
あなたの周りには「すぐに相手を否定したり、論破したりする人」はいませんか?
話すこと自体が目的「対話ロマンティシズム病」
一言で言うと、「対話」に一種のロマンティシズム(あこがれ)を抱いている人に起こる病です。その症状は、「対話が大切だ」と言って、ひたすら対話だけを行い、そこから議論や決断に向かわないことです。
対話をすることが「自己目的化」してしまっている、と言ってもいいかもしれません。あるいは、対話をしている自分たちに陶酔してしまう。話し合いにおける「対話」のフェイズは、あくまで、その先に「議論」や「決断」、そして「物事を実行」していくことが含まれなければならないのに、そこには、なかなか目が届きません。
実際、対話をしているだけでは、意見のズレがずっと表出しているだけで、いつまで経ってもわかり合えません。もちろん、結論にたどり着くこともできなければ、そこから物事が前に進むこともありません。何かを決めるためには、必ず「議論する」「決断する」というプロセスが必要なのです。
あなたの周りには「対話ロマンティシズム病」に罹患している人はいませんか?