3日後に地球が滅亡するとなると危機感を感じますが、数年後に隕石いんせきが地球にあたり滅亡の危機、と言われてもピンときません。そんなことよりも目の前の1杯のお酒、1杯のラーメンに惹かれるのは人の本能です。

温暖化や財政赤字は国策に委ねるしかありませんが、心臓、血管の硬直化は個人で何とか対策を講じることができます。毎日の食事が最も自分でコントロールが可能です。さらに適当な運動を続け、「心臓に毛が生えた」ようにストレスにうまく対処し、タバコを少し減らせば鬼に金棒でしょう。

「自分だけは大丈夫」という油断は禁物

心臓病になるのは宝くじのようなものです。心臓病リスク要因が複数ある人は、当たる確率は高いでしょうが、それでも当たらない確率も結構あります。

ラーメンのスープを残さず飲み、焼肉にタレをいっぱいつけて食べ、悪魔の3つの白い粉をふんだんに摂り、タバコを山ほど吸って、肥満で運動不足でも心筋梗塞にも何の病気にもならない人がいます。

確実に心筋梗塞になるのであれば、食生活やタバコは気をつけるでしょうが、そうとも限らないので「自分は強運だから心臓病にはならない。好きなものを食べる。自分は特別」と考える方が多く見受けられます。

しかし「太く短く」生きようと思っても、医学は進歩しています。意に反して死ぬに死ねずに長生きします。

どうせ長生きするなら、死ぬまで元気に好きな旅行やスポーツ、趣味を続けたいですよね。そのためには、高血圧など「心臓病を招くリスク因子」を少しでも減らす食生活を心掛け、「命の鼓動」を守ってください。(次回へ続く)

(聞き手・構成=医療・健康コミュニケーター高橋誠)
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