読書が苦手な子供には共通する特徴がある。脳内科医の加藤俊徳さんは「ぼそぼそと語尾が聞き取りづらい読み方をしている子供は要注意だ。子供の読書の本質は声に出して読むことよりも、自分の声を聞くことにある」という――。

※本稿は、加藤俊徳監修、北川チハル著『1話5分 おんどく名作』(世界文化社)の一部を再編集したものです。

本を読む親子
写真=iStock.com/yamasan
※写真はイメージです

スラスラ読書ができる子供と苦手な子供

子供のお友達はスラスラ本を読んでいるのに、それに比べると、どうもわが子は文章を読むのが苦手のようだ……。

そう感じることはありませんか?

お子さんが本を読んでいるときに、“つっかえる”“文字を読みとばす”あるいは“読み間違える”そんな様子は見られないでしょうか。

絵本でも教科書でも、幼児から小学校低学年向けの文章はひらがなが多いため、単語の区切りがわかりづらい傾向があります。また、ひらがなを覚えたての子供は、一文字一文字を拾うように読むため、単語のまとまりとして理解できないこともしばしばです。

成長に伴いスラスラ読めるようになることもありますが、なかなか上達しないケースもあります。うまく読めないことが続くと、内容が頭に入らず、子供は「読むのがつまらない、きらい、苦手」となってしまいがちです。周りのお友達が普通にできていることが自分はできないと感じると、自信や意欲を失ってしまうこともあるでしょう。

心配だけど、いったいどうやって練習すればいいの?――そのような悩みを持つ方におすすめしたいのが、脳を活性化する「おんどく(音読)」です。

文章を読むのが苦手な子供がおんどくに取り組むのは、ハードルが高く感じるかもしれませんね。ですがおんどくは、「文を見る・口やのどを動かす・声を出す・声を聞く・話を理解する・記憶する・考える・感じる」など一連の動作によって脳をまんべんなく活性化し、読む力が身につきやすいのです。