関東エリアは日本から消えたも同然になる

もし東京湾に原発があり、その原発が福島第一のように爆発していたらどういうことになっていたか想像できますか?

品川火力発電所は1960年運転開始という古いガス火力発電所ですが、古い発電設備は徐々に廃止され、2003年には「改良型コンバインドサイクル」という効率のよい火力発電設備に完全に切り替わりました。もしこれが火力発電所ではなく原子力発電所として建設されていて、「フクシマ」と同じ程度の放射性物質漏れを起こしたとします。

「フクシマ」のときのように、運よく風が海側に流れて、漏れ出た放射性物質のほとんどを太平洋にばらまいたとしても、その一部が「フクシマ」と同じ程度に拡散しただけで、東京23区の全部、さらには船橋、草加、三鷹、横浜あたりまでが20km圏の警戒区域(立ち入り禁止で一切の経済活動が停止)にすっぽり入ります。

国会議事堂も皇居も主要企業も……日本の中枢部はなにもかも深刻な放射能汚染に見舞われ、そこから人間が出ていかなければなりません。数十年という長期間にわたって、首都圏を含む関東エリアは日本から消えたも同然になるわけです。

原発は過疎地に押しつけられるが、震源地は移動できない

当然、首都は移転となります。

放射能汚染地帯を挟んで日本は東と西に分断されるため、経済活動も二分されるでしょう。日本を支えるのは西日本、ひたすら援助を受ける東日本、という西高東低の構図になり、国の規模が一気に半分以下になるかもしれません。

原発は首都圏に建てず、地方の過疎地に押しつけることができましたが、巨大地震の震源地や富士山をどこかに移すことはできません。富士山が噴火して大量の火山灰が首都圏に降り注げば、即座にあらゆるインフラが停止し放射能汚染以上の大惨事になります。

東京で甚大災害が起きるとこういうことになることを、まずは頭に入れてください。