それでも10年間飼育員を続けた理由
私は10年と3か月「オホーツクとっかりセンター」で保護活動を続け、今年6月に退職した。たくさんのアザラシの生と死に向き合わなければならない保護活動は、嬉しいことや楽しいことばかりではなかったが、それでも続けてくることができた理由がある。
それは、保護されたアザラシたちが元気になっていく姿を見守ることができる大きなやりがいと、アザラシを含めたくさんの仲間たちの支えがあったからだ。
本稿を通して、ご紹介できたのは救助活動のほんの一部にすぎないが、アザラシの可愛さはもちろんのこと、アザラシの生態や保護活動の裏側、またそこにあふれる私たち飼育員の限りなきアザラシ愛が少しでも届いてくれたら、これほど嬉しいことはない。