アラームの「スヌーズ機能」は体内時計のリズムを崩す

【小林】朝起きられないと困るから……そんな理由で、目覚ましのスヌーズ機能(いったん目覚ましを止めても、そのあと一定時間ごとに何度もアラームが鳴る機能)を活用している方、もしくは、目覚まし時計を時間差で複数セットして起きているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

小林弘幸、三輪田理恵『なぜ、あの人はよく眠れるのか』(主婦と生活社)
小林弘幸、三輪田理恵『なぜ、あの人はよく眠れるのか』(主婦と生活社)

寝起きのボーッとした頭でスヌーズボタンを押し、あと5分、あと5分……と二度寝してしまうのは、体内時計のリズムを崩し、その日1日を台なしにしてしまう恐れがあります。

睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠の2種類があります。レム睡眠は、体は休んでいますが脳は起きている状態。健康な睡眠では、朝方にはレム睡眠の割合が多くなり、目覚める準備が整ってきます。そのため、スッキリ目覚めるためには、レム睡眠時、もしくはその前後で起きるのが理想です。

仮に最初のアラーム音でレム睡眠のステージから脱したとして、そこでスヌーズボタンを押して二度寝をしてしまうと、今度は脳がノンレム睡眠に入ることになります。スヌーズボタンを押して、起きてまた寝て……を繰り返してしまうと、せっかく脳が起きる準備をしていたところで再びお休みモードになるなど、朝から脳が混乱して頭がボーッとしてしまいます。

自律神経の視点から考えても、最初のアラーム音で目が覚めて、交感神経が高まってきたところで、再び寝ることで副交感神経が優位になり、そこへ再びスヌーズで起きて交感神経が高まり……ということを何度も繰り返すことで、疲労を招くことにつながってしまいます。

「1回のアラームで確実に起きる」を心掛けたほうがいい

【三輪田】一番の理想は、目覚ましに頼らず自然の力で起きることです。決まった時間に寝て、決まった時間に起きる生活を1週間程度続けていると、体内時計が整い、自然と同じ時間に目を覚ますことができるようになります。

そうは言っても、毎朝同じ時間に起きるのは難しいもの。ならばせめて「1回のアラームで確実に起きること」を徹底しましょう。1回のアラームでスッキリ起きて、1日を気持ちよくスタートできるようになれば、自律神経も体内時計も整いやすくなり、よい睡眠・よい生活リズムをつくることができます。

便利でありがたいスヌーズ機能ですが、慣れてしまうと、ますます起きることが辛くなってしまうということを覚えておいてください。

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