夕方以降にチョコレートを食べると睡眠の質が下がる

【小林】眠気覚ましや脳の活性化に、またひとときのリラックスのためにコーヒーやお茶を飲む方も多いと思いますが、それらに含まれるカフェインは、想像以上に睡眠に影響を与えます。

カフェインは小腸で吸収されて血液に運ばれます。血中カフェイン濃度は30~40分後に最高になり、2.5~4.5時間で半減します。つまり、覚醒作用は4時間を超え、自覚している以上にその効果は長時間続くということを押さえておきましょう。快眠するなら、夕方以降はコーヒーやお茶は控えたほうがベターです。

飲み物に含まれるカフェインの含有量の目安は以下になります(抽出液100ml中/日本食品標準成分表2015年版より)。

コーヒー 60mg
紅茶 30mg
煎茶・烏龍茶 20mg

また、チョコレートにもカフェインが含まれるので注意が必要です。ミルクチョコレート100gあたりのカフェイン量は30mg前後、ハイカカオチョコレートだと120mgになるものもあります。夕方以降のおやつや夕食後のデザートには、チョコレートやチョコレート菓子は避けたほうがカフェインの影響を受けにくくなります。

生のカカオ豆とココアパウダーとチョコレート
写真=iStock.com/gustavomellossa
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カフェイン入りの栄養ドリンクには効果があるが…

なお、眠気を覚ますためにカフェイン入りの栄養ドリンクを飲む方もいると思いますが、カフェインで一時は目が覚めたとしても、それで不足している睡眠が補われるわけではありません。人は、脳内で眠気をつくり出す「アデノシン」という物質が溜まると眠気を感じるようになります。カフェインはそのアデノシンが脳内で働く過程をブロックしてしまうため、眠気が覚めるといわれています。

ただし、睡眠物質そのものが消えるわけではないので、カフェインによる覚醒は、いわば眠たい人の頰を思いっきり叩いて無理やり目を覚まさせているようなもの。どうしても眠気を覚ましたいのであれば、「寝ること」が一番の解決策であることを忘れないでください。

【三輪田】カフェインの摂取は、15時以降は控えたほうがいいでしょう。ただし、カフェインの覚醒作用・覚醒時間は、年齢や体質、空腹かどうかによっても効き具合は変わってくるので、夕方以降にコーヒーなどカフェインを摂取する習慣がある人は、いったんそれをやめてみて、睡眠に影響が出るかどうか確認してみるとよいでしょう。