レバレッジ型の金融商品は大きなリターンを得られる可能性もありますが、2倍上がることもあれば、もちろんその逆に2倍下がることもあります。

しかし、投資の初心者でレバレッジ商品を選ぶ方は、上がることしかイメージしていないケースが多々あります。ブームに乗り遅れまいと高値掴みをしてしまい、今の下落相場で含み損を抱えている方や含み損に堪えかねて投げ売りをした方も大勢いるのだと思います。

最近のブームを見ると、SNSなどでインフルエンサーの発信を目の当たりにし、仕組みをよく理解しないまま投資を始めた方も少なくないという印象です。これらは投資で損する人に共通する行動パターン「思考停止」の典型例です。

その理由は、自分でもよくわからないものに投資をすることは、リスクを高めるからです。株式投資は「リスクが高い」とよく言われますが、初心者の方ほどリスクを誤解している傾向があると感じています。

街頭で株式株価表示板を見ている人
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リスクとは、想定外の値動きをすること

リスクとは「株価が下がって資産が減ること」ではなく、「想定外の値動きをすること」なのです。想定内の値動きであれば、下落相場で一時的に含み損を抱えても冷静に対処することができますよね。

逆に想定外の値動き(急落)をした場合は、狼狽売りをして損失を確定させる行動をしてしまいます。高値で買って安値で売る――。これでは資産を失ってしまいます。

冒頭で「思考停止をしないこと」「時間軸を決めること」は、投資で失敗しないためのポイントだと説明しました。これは「リスク」と正しく向き合うためにも必要不可欠なのです。

リスクを抑えるにはどうすればいいのでしょうか。それは自分がよく理解していないものに投資をしないこと。もう一つは「想定外の値動き」を事前に想定しておくことです。

過去から学べることもあります。株価の値動きをさかのぼれば、2008年のリーマンショックや2020年のコロナショック、バブル崩壊時にどれくらい下落したのかが分かります。過去に下落したケースの値動きを確かめて、もし同じだけの下落が起きた場合、自分が痛手を負わないラインを確かめておくべきです。

想定外を可能な限り減らすこと、それがリスクに備える方法です。

「下落相場で何をすればいいんですか?」は思考停止

いずれにせよ著名人の推奨する商品であっても、その金融商品がどんなものか、どのような理由で推奨しているかをきちんと調べなければいけません。自分がよく理解していないものに投資をする「思考停止の投資」は一番やってはいけない行為です。